第26章 黒猫の戦う意味
肩を組まれそうになった瞬間、俺は男の腕を掴んで背負い投げをかました。俺よりもがっしりした巨体が宙を舞ったことに周りの大人達も驚いていた。
親父に護身術を教わっておいてよかった
「テメエ…何しやがんだ!!クソガキ!!!」
「そっちこそ、ナメてかかってくんじゃねえよおっさん。」
目線が下になったおっさんを見下ろして俺はおっさんに一言言い放つ。周りの大人達が地面に這いつくばるおっさん達を哀れんだ目で見ているせいか、おっさん達は火が消えたように俺から離れて行った。
ふぅ・・・と息を吐いた瞬間、「では1から5番の方、どうぞ」と、案内の人が呼んだ。その声で1から5の番号を持った大人達がぞろぞろと出て行った。
「それでは1番から始めます」
オークションの司会者の言葉で始まった用心棒オークション。1番の男は、俺よりもガタイのイイ男。始まりは500万。・・・500万!?そいやさっき受付で聞き流してたけど、最初の体重測定があってそこで何キロか以上でいくらってことを言われた気がする。
俺確か・・・100だっけ?
「600。」「700!!」「1000!!」「1500!!」「2000!!」
ビックリするほど金額が跳ね上がっていく。これがオークションか・・・裏って怖いな・・・。
なんて思っていたら、1番の男は最終的に10倍の値で話が付いた。