第26章 黒猫の戦う意味
「名前と年齢は?」
「…黒尾鉄朗。年齢は…非公開で…」
俺は、中学2年の秋に用心棒求人の指定された会場に来た。そこは、どこかのライブ会場みたいな場所だった。
この用心棒求人は、いわゆるオークションのような方式で行われる。用心棒を雇うような人は、大概は外界実力者や堅気の人間ばかりだから相手の人間の素質や潜在能力を見抜く力があるため一度見ただけで才能があるかを判断できるから多くの情報は後から知ることになる。
だから、住所とか年齢とかそういうことは重要ではない。必要なのは、その人間の力だけ
「…じゃあ君は9番ね。」
「…うっす」
9番の番号札をもらうと、俺は奥の控え室に通された。そこで待っている男たちは、やっぱり用心棒というのにふさわしいガタイのいい男たちばかりだった。俺なんてまだヒョロヒョロのガキだってことが丸分かりだ。
「おい…あいつガキじゃねえか?」
「あぁ…あんなひ弱なガキ、ぜってえ売れねえだろ?」
なんて言っている大人たちの声が聞こえてきた。研磨だったら1秒で死ぬだろうな・・・
「おいおい、兄ちゃん。こんなとこにおこちゃまが来てどうしたの~?」
「怖いおじさん達に可愛がってもらいたいの~?」
と、明らかにやばい雰囲気のおっさんたちが近づいてきた。下手に動くのも危険だと思ったけど、今回はヤバいと思った。
「なぁ、ちょっと裏まで来てくんない?」
「・・・ッ!!」