第26章 黒猫の戦う意味
「異常だよね」
「うるせえ…んなの俺が一番知ってるよ…」
唯一俺の素性を知っている幼馴染、弧爪研磨
俺が果物を射抜いた時、動物を殺せたとき…そのすべてを目撃した数少ない友人・・・友人と言えるか分からないけど、こいつにだけは何でも言えた。
「クロ、いい加減にしないとホントに戻れなくなっちゃうと思うよ。人殺ししてもいいなんて軍人の世界でしかありえないんだから」
「分かってる…でも高校出たらそのまま軍人になるつもりだしよ」
「…それ、本気で言ってる?」
疑いのまなざしで俺を見る研磨
研磨はこういうことに関しては本当に鋭い
周りを見る観察眼、他からの情報を集めることがうまい。それで結構周りからいろいろ後ろ指刺されることが多かったけど、それはお互い様だったから一緒にいて楽だった
だから、こいつにはあまり隠し事はしなかった
「…親父が、そろそろ退職なんだ。それがなくなったら俺はあそこにいれなくなる…。そしたら、俺…」
今、俺が人殺しを許されているのは親父のバックアップがあるから。それがなくなれば俺は普通の中学生に戻されてしまう。
そうなってしまったら、俺のこの曲がった感情だけが残されて何をするか分からない。
人殺しの快感を求めて、誰かを殺してしまうかもしれない
それだけは…!!と思うけど、それを考えるだけで・・・気が狂いそうだった