第26章 黒猫の戦う意味
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黒尾視点
俺は物心ついた時から、手にしていたのは子供向けのおもちゃじゃなかった。同年代達がこぞって親に強請るライダーベルトやスポーツ道具なんかはぶっちゃけ持ったことがなかった。
俺が子供のころ遊んでいたのは、猟銃や拳銃だった
俺の父親は、いわゆる軍人。
陸軍の中で一番偉いくらいの人で小さい時から軍人になれと言われ続けてきた。
6歳の時点で動かない果物を1発で打ち抜くことができたし、10歳で動く生き物を撃ち殺すことができた。
そして、中学に入ったら今度は人間を殺すことを覚えた
初めては父親の仕事場で、捕らえた海外の軍人を撃ち殺した時だった。
俺が撃ち放った銃弾がその軍人に命中してガクリと項垂れたその姿に俺は・・・、ひどく興奮してしまった。あんな簡単に人は死ぬのだと・・・とても高揚した
その日を境に俺は父親の・・・親父の仕事場に通った。その度に人を殺せて・・・それが楽しくて気持ちよくて・・・
中学生の男子なら、好みの女は誰だとか、クラスの女子を意識し始めてソワソワしたりする時期なのに
俺は、他より異端だった
女なんかに興味なかった、あるとしたらその女をどうやって殺そうか考えてしまうくらい・・・