第24章 怖い・・・
「痛ってえな…」
「松っつんに何が分かるんだよ!!」
いつもはチャラチャラしているけど、こういうときは本当に何をするか分からない。
岩泉の時も・・・
「…それでも、なんで岩泉にもあんなことをしたんだ」
「…岩ちゃんが…、岩ちゃんが悪いんだもん…。白鳥沢に復讐するって言った時、付き合ってくれるって…言ったのに…ッ!!」
岩泉は昨日の夜、帰宅途中に誰かに襲われて病院に搬送された。
それが及川の差し金だと知ったのは今朝のことだ。
岩泉を襲ったやつが、2年前まで国見や金田一と共に及川のボディガードをしていた男、影山飛雄だという情報が入ったからだ。
影山の通り名は、『殺しの王様』
彼は1年前の事件で刑務所行きになったが、数日前に及川がそこから出したのだ。青城の名をフル活用して・・・
「…それでもお前は、お前の大事な存在をお前の手でつぶしかけたんだ。夜琉だけじゃ飽き足らず、お前はいくつ大事なものを捨てる気だよ!!」
「そういう松っつんこそ、俺のやることに口出さなかったのに、いまさら何?俺は鼻から覚悟してたよ?紫乃さんの実の娘を見つけたら、俺の手で牛島の目の前で殺してやるって」
及川に殴られて床に倒れ込んでいた俺は、殴られてたことで切れてしまった口元を拭って及川を見る
その目は、紫乃さんが牛島に殺された時と同じだった
こうなった及川を止められるのは、紫乃さんか岩泉だけだ。でもその2人はいないから、俺の理性と本能が、ここで折れろと言っていた