第24章 怖い・・・
*****
「ただいま、まっつん」
「よぉ、早かったんだな」
夜琉を医務室に隠して、何事もなかったように本社室のソファに座る俺は、及川とすっかりつぶれている花巻を見た。
及川と花巻は、さっきまで2人が務めているアクアマリンの5周年祝賀会だったからな・・・
「うん、もうマッキーが限界だったからね…。それより聞きたいことがあるんだけどさ…」
及川の肩を借りてかろうじて立っていた花巻をソファに座る俺の横に置いて、及川はソファの後ろから俺の身体に抱き着く
変な意味ではない、及川は秘密ごとをするときにする癖のようなものだ
こうするときは、だいたいロクなことがない
「…まっつん、夜琉ちゃんと会ったの?」
「…だったら?」
「…会ったんだね?」
及川の問いかけに俺は笑みを返した。
すると、及川は笑顔で俺の襟首を掴んで無理矢理立ち上がらせた。
「…彼女は今どこ?」
「…お前に教えるわけねえだろ?…天童や戸美なんかと手を組みやがって…」
「…国見ちゃんでもダメなんだから…使えるものは使うんだよ」
「そこまでしてお前はあいつを…夜琉を殺してえのかよ!!」
俺は思わず熱くなって襟首を掴む及川の手を掴んだ。
それでも及川の力に勝てるはずもなく、さらに腕を掴ま返された
「…言ったでしょ?紫乃さんのためだって」
「…だったら、なんでお前の手で殺そうとしねえんだよ」
「…彼らには、殺せって頼んでないよ。ただ捕まえて俺の前に連れてきて、牛島の目の前で殺すんだよ」
「…なんでそこまですんだよ。…岩泉に、あんなことしてまで…岩泉を…傷つけてまで…!!」
俺の言い放ったその一言がついに及川の怒りにふれ、俺は及川に殴り飛ばされた。
そばで見ていた金田一が、松川さん!!と叫んだ声がしたが俺はそれを聞いている余裕がなかった