第24章 怖い・・・
「どうだ、できたか?」
『…はい』
「じゃあこっちでやるからな、いろいろ聞くかもしれないけどいいか?」
『…はい』
松川さんに出された椅子に座ると、松川さんはあたしの傷に触れた。まだ少し痛かったからあたしは少しびっくりした
『…あの』
「…どした?」
『…もし、あたしが1人で死んだら、どうなりますか?』
1人で死ぬ・・・つまり、自殺をしたら・・・白鳥沢の人達はまず困る。及川さんは喜ぶかもしれないけど、牛島さんの目の前で殺せなくなる。黒尾さんや木兎さん達は・・・厄介払いできていいかもしれない。・・・日向や華夜は、悲しんでくれるかな・・・。
そんな風に思ったから、松川さんに聞いてみたくなった
「…どうなるって?」
『えっと…みんなどう思うかなって…』
「…まぁ少なくとも俺は、すっげえ悲しいな」
『えっ…』
「いや、悲しいどころじゃねえかもな…。お前自殺してえとか思ってんのか?」
肩を触っている松川さんの手が、あたしの鎖骨を通って後からあたしを抱きしめる形になった。
松川さんにギュッとされるのは初めてでちょっと驚いたけど、なんだかあったかくて、でもちょっとだけ・・・怖い感じがした。なんだか・・・無言の圧力をかけられているような
『…いえ、なんとなくです…。』
「…それならいいが、もし自殺するつもりなら不可能と思えよ」
『・・・?』
「お前の周りの奴らは絶対にお前を見捨てねえだろうし、自殺しようものなら全力で止めるだろうからな」
と言いながら、ゆっくりと離れた松川さんの声はさっきよりもずっと優しくて圧力もなかった
松川さんは、あたしから離れるとタトゥーマシンの準備を始めた。順番に注意事項とか入れた後のこととかの話を聞きながら刺青を入れてもらっていく。
厳密には、刺青じゃなくてタトゥーだって
「…お前、この刺青ってさ俺らへの当てつけ?」
『いいえ・・・あたしの願いです』
あたしがお願いしたデザインをみた松川さんがあたしを睨んでいうけど、どこか納得しているような感じもしたけど・・・