第24章 怖い・・・
「…そうだお前、ここの傷どうする?このままじゃダメだろ?」
『えっ…』
松川さんはそういうと、あたしの肩に巻かれた包帯をほどいた
そこには、縫いつけられた後がくっきりと残っていた
お母さんの言いつけを守ってずっと守ってきた身体だったのに・・・
『・・・。』
「お前、刺青とかは大丈夫か?」
『えっ…刺青?』
「あぁ、傷ついた女たちはだいたい可愛い刺青を代わりに入れるんだが…無理にとは言わねえが傷を隠すにはいいと思うぞ。俺入れる技術持ってるし」
松川さんは、さっきとは打って変わって優しく言葉をかけてきた。医療道具の中から刺青に使うであろう道具を出してきた
そして、ベッドの脇のテーブルに紙とペンを置いた
「そこに、入れてほしい刺青のデザインをかけ。簡単でいいからな」
『…はい』
松川さんに言われてあたしは紙とペンを持った
あたしは、デザインではなくほかのことで頭がいっぱいだった・・・
いよいよ及川さんが、あたしを本気で殺しに来ている
それに、白鳥沢の天童さんとあたしの知らないお兄さんも及川さんとあたしを狙ってる
そう思うと、ペンを持つ手が無意識に揺れ始めた
・・・怖くなってしまった
外に出るのも、誰かといるのも怖くなった
あたしが誰かといたら、その人が危険な目に合う
あたしとかかわると、ケガをしてしまう・・・
最悪、死んじゃったり・・・
及川さんなら・・・やりかねないかも・・・
そしたら・・・
嫌だ・・・そんなの・・・!!
あたしのせいで・・・誰かが傷つくなんて・・・!!!
もう・・・いやだ・・・ッ!!!
嫌だ・・・怖い・・・
もう・・・死んでしまいたい!!
誰にもけがをさせたくない!!!
――――――――そうだ、誰かに殺さるのを待つよりも・・・
――――――――自分で死んだ方が、みんな助かるんじゃ・・・