第23章 狂気の妖怪
『やっ…痛い…!!』
「うんうん、痛がって痛がって♪もっとそういうとこ見たいんだ~」
あたしの肩を掴んでぐりぐりと指で押さえつけられている。
銃の弾は貫通しちゃってるみたいで体の前にも流れ出ていた
痛すぎてあたしは思わず泣いていた
そんなあたしを見て天童さんはすごく楽しそうだ
「夜琉ちゃん、男とヤるのは大好きみたいだけど、こんな風にされるのは初めてでしょ?」
『ふっ…大好きな…わけッ…!!!』
「いいでしょ?俺も楽しい。こうやって人の内側を露にして甚振って遊ぶの…」
『いっ…いや…』
天童さんがこんな人だなんて思わなかった
初めて会った時も普通の人じゃないっていうのはちょっと思ったけど・・・
「ねぇ大将君もやらないの?」
「…俺は、ここらじゃ人は傷つけねえって決めてんだよ」
ヘビみたいな目のお兄さんは、壊れたビルの窓のところからどこかを見ていた。それも、とても寂しそうな目で・・・
「あぁ~、あの病院だっけ?大将君の彼女さんが入院してるのって」
「・・・あいつには、俺がしてること知られたくないからな…」
「普通に人殺しちゃうのに~健気だね~」
「うるせえ!!…早くしねえとそいつ血ィなくなって死ぬぞ?」
「おっとっと、そうだね~。そろそろ意識薄れてるみたいだからネ~」
2人が話していることを聞いているが、それもどんどん理解できなくなっていた
血が止まらないし、身体の体温が奪われていくような感覚が広がった
「じゃあ、完全に気を失ったら行こうか。…及川君、待ってるからネ♪」
天童さんの不気味な笑みがあたしを見下ろしている・・・それは分かる
でも・・・体が動かない・・・目も開かない・・・
どうしよう・・・
誰か・・・誰か・・・助けて・・・
黒尾・・・さ・・・