第23章 狂気の妖怪
『…あっ…』
「いい加減さ、おとなしく俺達と来てくれない?今は、殺さずにいてあげるから♪」
『…そんなんで大人しくついてくほどいい子じゃないです!!』
天童さんにそうやって言い放ってあたしは階段の方へ走る
でもその瞬間、肩に激痛が走った
そのあとすぐに大きな音が耳を貫いた
逃げようとかそういうのどうでもよくなった
肩に感じたことのない痛みが襲っていて思わずカバンを落として膝をついた
『うっ…くっ…』
「おい、マジで撃ってどうすんだよ。」
「大丈夫、俺うまいから骨はかすってる程度だと思うよ。まぁ筋肉とは仕方ないけどネ~。」
「及川になんか言われるんじゃねえか?」
「及川君は生きてればなんでもいいってサ~」
ニコニコ笑いながら近づいてくる音がした
逃げなきゃとは頭では言ってるのに、肩の痛みと恐怖で足が動かなかった
「びっくりした?ごめんね、一応小銃弾入れといてそのまま撃っちゃったから撃たれたことに気づかなかったでしょ?」
『…ッ!!』
「そんなに怯えないでよ、これ以上は撃たないから」
と言って天童さんは持っていた拳銃をその辺に投げ捨てた。
肩を抑える手がどんどん血で汚れていくのを見て、また天童さんが笑う
「でも…ちょっと俺の遊びに付き合ってね、紫乃ちゃん」
『えっ…なんで…』
この人あたしのお店の名前・・・
『及川さんに、聞いたんですか?』
「いや、なんとなく♪及川君が好きそうな名前だと思ったから♪」
あたしの前にしゃがみ込んだ天童さんがあたしの肩に触れた
・・・違う、肩を思いきり掴まれた
『痛ッ…!!!』
「あぁ~痛いよね~可愛い~」
そこから天童さんの行動はエスカレートしていった