第23章 狂気の妖怪
中に入ったわいいが、今の時間はもう11時近い
中は真っ暗で、よくTVで見る心霊番組真柄だった。
『うぅ…血迷って入るんじゃなかった…』
実は怖い話とか心霊とかが苦手なあたしは、どうしても上まで行く勇気がなくて3階が限界だった
階段から3階の大きなフロアに入ってスマホの明かりを照らすと、そこはなぜか黒く焦げていた
壁や落ちている瓦礫が黒い煤のようなものが付いていたから火事でもあったのかな?
「夜琉ちゃ~ん」
下のフロアから聞こえる天童さんの声
あたしは急いでスマホをしまって黒く焦げた大きな瓦礫の陰に隠れた
「…潜、ガキはどこだ?…あぁ分かった。おい、このフロアで間違いないってよ」
「はーい、夜琉ちゃ~ん出てこないと撃っちゃうよ~」
天童さんの間の抜けた声の後によくドラマで見るカチャッという音
持っていたカバンをギュッと抱きしめて様子を伺う
辺りをキョロキョロとみると、フロアの奥の方にもう1つ階段があった。いる敵は、さっき上ってきた階段の方に天童さんと目つき悪いお兄さん。それと向かいのビルにあやしいスナイパー
ゆっくり逃げれば、きっとばれない・・・
そう思ってあたしは、もう1つの階段の方へゆっくり歩みを進めた
でも・・・
パァン!!!
『キャア!!』
大きな音と近くの瓦礫が吹き飛んだことに思わず驚いてしまいカバンを抱えたまま立ち上がってしまった
「…見ぃつけた♪」
天童さんが怪しい笑みを浮かべてあたしを見ていた