第23章 狂気の妖怪
ロイヤルサファイヤの前から結構走ったけど、天童さん達の姿は見えない。
でも、あたしでも分かる
あそこ・・・ビルの屋上からこっちを見ている人がいること
あたしは目がいい方だけど、姿までは見えない・・・
『…そういえば、この辺って中央病院の近くだ…。久しぶりに来たな』
中央病院は、あたしのお父さんが病気になった時にここに通っていたからこのあたりの公園や建物は遊びつくしたと言っても過言ではなった。
お父さん大好きなお母さんだったから、近くで遊んでなさいと言われていたからだ
『あっこのビル…まだあったんだ…』
中央病院から少し離れたところにある壊れかけたビル
小さいころはここで遊ぶのが一番多かった気がする
幼心からこういうところは冒険チックな感じがしたからね
「…あぁ、分かった」
遠くでさっきのお兄さんの声がした
やっぱりさっき見た屋上の人が報告したみたい
あたしは、とりあえず隠れようとその廃ビルに入った
廃ビルは、あたしが遊びに来る前は大きな百貨店だったみたいだけど、経営難で閉店してから5年くらい経ってたみたい。それがあたしが7歳くらいの時だったから今はつぶれてから15年くらいのモノだった。もういつ壊れてもおかしくないって感じなのになんで残ってるかはちょっと気になったけど、まず思ったことは逃げることだけだった