第22章 蛇に睨まれた
「えぇ~、なんですか?」
「ちょっとお兄さんと遊びに行かない?」
『…華夜、帰ろうよ』
「でもこのお兄さん結構かっこいいじゃん」
ミーハーな華夜だから、こういうお兄さんに声をかけられるとどうも弱いみたい
あたしは、こういう手には何度もあってきたから相手がどんな奴かはだいたいわかるつもりでいる。だから、そういう経験の浅い華夜には危ない目に合わせたくなかった
「お姉さん達いくつ?若いよね?」
「高2です~」
『華夜!!』
このお兄さんはダメだ
あたしの経験と勘が言っている
この人すごく親しげではあるが、絶対裏のあるタイプの目をしている。
それでも華夜はすっかりその気だ
「そっか~。俺今友達待ってんだけど、そいつと合流したらカラオケでもどう?」
「えぇ~、どうしよ~」
『華夜!!』
腕を引くけど、意識が完全にお兄さんにある華夜は動いてくれない。あたしは嫌な予感しかしなかった
そして、その予感は的中してしまった
「おまたせ~。」
「あぁ、待ってたぜ」
華夜と話しているお兄さんは、あたしの後ろからする声の主に話しかけた
「あっ、お兄さんのお友達ですか?」
「ん~、お友達というか・・・仲間、だね」
お兄さんの目が怪しくキラリと光ったと思ったら舌をペロッと出して笑った
「へぇ~。お兄さんもかっこいいですね~」
華夜が今来たお兄さんを見たから、あたしもそっちに目をやる
その瞬間、あたしは身体が凍ったように動かなくなった
『・・・ッ!!!』
「やぁ~ドーモ。大将君のオトモダチの天童です☆」