第22章 蛇に睨まれた
「・・・そっか、いろいろあったんだね」
『うん…ごめん、嘘ついてて。及川さんのこととか』
「いいよ、夜琉にもいろいろあったみたいだしね。話してくれてありがとう」
こうやって話せる友達はホントに楽でいい
下手に周りにばらしたりしないのと聞き上手な性格というのもあるからか、すごく話しやすい
「でも、夜琉はやっぱり綺麗だからね~。そのお兄さんもさぞやイケメンだっただろうね~」
『そんなことないよ』
「うらやましい~、私もイケメンに抱かれた~い♡」
『調子良すぎ…』
「あっ!!でも…」
華夜はケラケラ笑ってたのに急にまじめな顔であたしに向き合った
「夜琉を泣かせたのはちょっと許せないかな」
『・・・!!』
そういうことを言ってくれるなんて思わなかった
あたしは、少し恥ずかしくもあり嬉しくもあったから素直に華夜の顔が見れなかった
『…ありがと』
そうやってつぶやくしか、できなかった
「…よし、次行くよ!!」
『は?次…?』
「次はカラオケ!!遊ぶよー!!」
『ちょ…待っ、マジで!?』
華夜は、さっさと会計を済ませてあたしの荷物を持って店を出てしまった
こういうところが華夜だ
何も考えてないようなことをするが、これも彼女の優しさだ
それを分かっているから、あたしも素直について行く
・・・でも
『ちょっとカバン持ってくのはやめてよ!!!』