第20章 悪い子は、光の中で・・・
「・・・安心して、俺達は夜琉の味方だよ」
小さな手がポンとあたしの肩に乗せられた
「夜琉、すごく大変なことに巻き込まれてるんでしょ?でも、大丈夫。夜琉のまわりにいる奴はみんなもれなく味方だ。」
『…でも日向。あたしなんかのせいでみんなに迷惑かけるなんて…』
「迷惑じゃないよ。みんな夜琉を守りたいからここにいるんだよ。黒尾さんもね」
あっ…日向分かってたんだ
だから、あたしが黒尾さんに対して不信感を抱いていることにも気づいて・・・
「ねえ夜琉、俺達のこと嫌い?」
『…いえ、嫌いじゃないです』
「…それでも、俺達のこと信用できない?」
『…信用したいです。でも…あたし…守ってくれなくていいです…迷惑、かけたくないです』
信用できないわけじゃない、みんなが嫌いなわけじゃない・・・でも、きっと・・・
そこであたしは、悪い子モードに入った
『…正直、迷惑です。黒尾さんも木兎さんも日向も…なんであたしなんかに構うんですか?…あたしやっぱり帰ります。アイのケースってどこですか?』
「…夜琉、みんな必死で…」
『なんであたしにそんなに必死なんですか?皆さんがあたしに命かける理由が分かりません。ほっといてよ』
少し強めの言葉になってしまった
「…黒尾さんのお願いだからだよ」
『・・・えっ?』
「黒尾さんは、夜琉をすごく特別に思ってるよ」
日向が肩に置いていた手をあたしの頬につたわせた
日向の手は子供体温のようでとても温かかった
『…分かんないよ』
それでも、日向の言葉に対してあたしは反抗した
・・・だって、黒尾さんは守るとか言ってたくせに・・・だって
黒尾さんも、もともと殺し屋だって・・・
だからあたしは、黒尾さんに触れられるのが怖くなってきた
ここに住めといられるということはここに居ろと言われること・・・それは、及川さんと同じ手口だ・・・
そばに置いておいて逃げないようにするため・・・だとしたら・・・?
そう思ったら、黒尾さんも敵にしか見えなくなっていた