第20章 悪い子は、光の中で・・・
「夜琉、一緒に中にいこ!」
日向だけは、そんなことなんて気にしていないようにあたしを木兎さんの家の中にあたしを連れて行った
大きな扉を開けると、使用人さんっぽい人が日向に「おかえりなさい」と声をかけた。
日向はただいま~といって長い階段をあたしの手を引っ張りながら駆け上がっていく
「夜琉の部屋は俺の隣なんだって!!」
長い廊下を走りながら日向は嬉しそうにあたしを見た
そういえば日向、TV局から出てからあたし呼びしなくなった
ONとOFFの区切りはしているみたいで、素は普通の男の人だった
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「はい、着いたよ」
意外と体力あり過ぎた日向は、5階のフロアに階段で上がってきた。日向に引かれていたあたしも同じく階段だったが、体力の差のせいであたしはヘロヘロだった
「ここが夜琉の部屋」
と、日向は持っていたカギを扉に刺して開けてくれた
そこは、まさにスイートルームのようなお部屋
大きなソファに大画面のTV。小さいけどきれいなキッチンとジャグジー搭載のお風呂。寝室に置いてあったベッドはセミダブルだった
『こ…ここホントに宿舎?』
「うん、木兎さんの力はすごいんだから!!」
『へぇ…、あっ!アイ!!』
部屋の中を見ながら日向に問いかけていたら、設置してあったクローゼットの影から愛猫が出てきた。アイはあたしを見つけるとゆっくり近づいてきてのどを鳴らす
「…ねえ、夜琉。」
アイを撫でていたら、日向のいつもよりちょっと低めの声が背中に当たった
あたしは、アイを抱えながら日向に向き合った
視線はあたしより低いけど、圧は圧倒的に日向に劣っていた