第20章 悪い子は、光の中で・・・
『…日向~聞いて~、この黒尾さんひどいんだよ~。あたしを置いてどっか行っちゃうし~』
「えぇ~夜琉ちゃんかわいそぉ~」
と、日向と共に黒尾さんをディスる
黒尾さんと、ついでに月島さんはそれを見て眉間が動いていた
「仕事だって言ってんだろ、クソガキ」
「いい加減僕の日向から離れてよアバズレ女」
『いや~ん、怖~い♡』
「ねぇ~♡」
「あぁ!!もう悪かったよ!!おらこっち来い!!」
苛立つ黒尾さんが日向とキャアキャア言っていたあたしの腕を掴んでみんなから離れた
後ろで夜琉~!!という日向とリエーフさんの声がした
『ちょ…黒尾さん!』
「…悪かったよ、お前から離れて。俺の控え室で待ってろ」
『控え室ってどこですか?』
「今から一緒に…」「あっ!!!!」
黒尾さんの声を被るように声を張り上げた人が1人
前にみたあのミミズクヘッド
「また会えたーーー!!」
『うぇあ?!ぼ…木兎さ…ぎゃッ!!』
物凄いダッシュであたしにタックルしてきた木兎さんは、あたしを抱き上げてぐるぐる回る
「久しぶりだなー!!やっぱ君可愛い~♡」
『いや…離してください…』
「やだ~…」
「おいこらクソ梟、お前プロデューサーなんだからさっさと行け。」
「大丈夫!!今赤葦に任せてきたから俺今からフリー!!…ってことで俺は今から夜琉と遊んでくる~!!」
「バカ言え、お前勝手なこと…」
「大丈夫だって、夜琉を守れるのはお前だけじゃねえしよ」
木兎さんは黒尾さんの肩にポンと手を置いた
言っていることはなんだかふざけ半分だけど、目が一瞬キラッと光った気がした
それを見た黒尾さんが、あきらめたようにため息をついた
「別にいいが、TV局から出すなよ。…誰が狙ってるか分かったもんじゃねえからな」
「任せとけって…」
2人の会話は、あたしには聞こえなかった
でも黒尾さんが言ってた戦力の1人が、木兎さんだということはすぐに分かった