第20章 悪い子は、光の中で・・・
「日向、そろそろ時間…って」
『げぇ…、月島さん…』
「げぇ…はこっちのセリフなんだけど?なんで君がここにいるの?」
『成り行きです…貴方こそ…』
「月島はね、最近CDデビューしたんだよ。《金と銀》っていうユニット名でね」
目の前に立ちふさがる長身メガネを睨んでいると後ろから日向が説明してくれた
そういえば、友達がすごい騒いでたっけ・・・
興味なかったから聞き流してたけど・・・
「ツッキー!!俺ネクタイできないからやってー!!」
と、月島さんの後ろからまた別の誰かが走ってきた
それは、月島さんよりもさらに上空に頭があった
『わっ…大っきい…』
「あれ…?誰?この子」
「俺の親友♡」
と、日向があたしに飛びついてきた
それを月島さんが鬼の形相で見てる・・・
「へぇ~可愛い♡俺のこと知ってる?」
『えっと…、銀の、王子?』
「そぉ!!よかった!!知っててくれて!!まだツッキーの方が人気だから『じゃない方タレント』になりかけてるんだよね~」
あぁ~あ…と頭を掻くけど、この人もかなりかっこいい
でも、彼日本人じゃないよね…?目の色が綺麗…
「あっ、俺灰羽リエーフ!!君は?」
『天川夜琉です…』
「夜琉ちゃん可愛い~♡俺結構好き~」
と、リエーフさんがあたしに日向ごと抱き着く
リエーフ…と背中越しに日向が悶える声がした
「おらおら出演者ども、とっととスタンバイしろ。ってかリエーフ、その女は俺のだ。やたらと抱き着くな」
と、自分よりも背が高いリエーフさんの首根っこを掴んで引きはがしたのは、黒尾さんだった