第20章 悪い子は、光の中で・・・
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「ほい、ついた」
『はーい…ってここ!?』
「あぁ、俺の仕事場。」
『こ…ここって…えっ、黒尾さんのお仕事って…』
「…一応、木兎の手伝いってことで芸能マネージャーだ」
『だからって…』
黒尾さんのバイクに乗って連れてこられたのは、TV局
それこそテレビ番組でしか見たことのない建造物だが、それが今目の前に君臨している
『あの…それで…』
「ほれ、時間ねぇんだから行くぞ」
と、黒尾さんは関係者専用のバイクの駐輪場に自分のバイクを停めて局内に入って行った
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『・・・・・・。』
勢いのまま入っちゃったけど・・・
うわぁぁぁ・・・ここ絶対いちゃいけない場所だよ・・・
あそこにいる人、最近よく見る女優さんだ。
背が高いな~・・・
あっ!!あれあたしの好きなお笑い芸人の人だ!!
凡人のあたしは、周りをきょろきょろしながら黒尾さんについて行ってる・・・つもりだった
でも、うっかりすると黒尾さんは全然違うところにいた
黒尾さんが大きくて助かった
すぐに見つけられたおかげで走って追いつけた
「おい、離れんじゃねえぞ。人が多いからはぐれたら見つけられねえからな」
『はーい』
素直に黒尾さんについて行くが、気持ち的に落ち着かない
だって周りにはTVの中の人達が今目の前を歩いているのだから
黒尾さんがそれを普通の笑顔で「おはようございます」と言っていた
・・・いや、間違えた
ものすごい猫かぶりの笑顔だ・・・