第20章 悪い子は、光の中で・・・
黒尾さんが出してくれたタンクトップとカーディガンをあさっていき一番マシなものを選んだ
さすが190センチ・・・
タンクトップなのにワンピースになっちゃった・・・
あたしは、それにカーディガンを羽織って黒尾さんの部屋を出た
『黒尾さん?』
「おい、お前何枚食える?」
『えっ…?』
黒尾さんがキッチンであたしを呼ぶからそこに行ってみた
そこにはキッチンで何かを焼いている黒尾さんがいた
傍から見れば、料理のできる優男っぽいのに・・・なんか残念
でも黒尾さんが作ってるものをみてあたしは一気に気持ちがあがった
『フレンチトースト!!』
「お前甘いもの好きだろ?ホットケーキと迷ったけど、こっちのが昨日準備しときゃ焼くだけで済むからよ。そんで何枚食う?」
『3枚!!』
「さっ…?!お前これ結構厚いしデケえぞ?」
『いいんです!!早く焼いてください!!』
と、あたしは無意識にフライパンを持つ黒尾さんの腕にしがみついて早く早く!と柄にもなく催促する
「…お前にも、そんなとこあんだな」
『ん…?』
「お前さ、風俗の時すげえつまんなそうな顔してるし可愛くねえって思ってたけど、まだ高校生だもんな。」
『ん…だって食べ物を目の前にするならこのくらいテンション上がりませんか?』
「お前だけだ…はいはい、3枚な」
『わーい♡』
と言ってあたしはダイニングのソファに向かって飛び座った
そのままスマホを片手に友達からのメールの返事を送っていく
黒尾さんがそんなあたしを見て微笑ましそうに見ていることも知らずに・・・