第19章 動き出す
箱の中は、麻薬は入っているがそれは本来入るべき容量の半分程度しか入っていなかった
段ボール箱は下半分が底上げされていて量を多く見せていただけだった
「こりゃ怒るわな~、同じだけ金払っても中身が半分じゃな~」
「それで、怒った扇南の奴らが白鳥沢の奴らを呼び出した…と」
「…でも変です」
「…どした?パンタロン」
「情報では、ここに呼び出したのは白鳥沢側です。場所指定も…」
「…つまり、白鳥沢の奴が扇南の奴に手引きして情報をうったってことか?」
「・・・いや、その情報は根本からおかしいよ」
「…!?茂庭さん?」
「茂庭、お前珍しいな」
廃倉庫に現れたのは、二口やコガネに比べたら小柄な刑事
でも、さっきまでチャラチャラしていた二口も彼の登場で少し背筋が伸びた
「うん、今日は彼に行けって言われてね。こっちの進捗が気になるみたい。…それで、さっき小原に情報もらったけど白鳥沢が情報を売ったって話だけど…ホントなのか?女川」
「はい、白鳥沢に交渉を依頼したのは確かに扇南ですが、場所や時間指定は白鳥沢です。しかも、我々に連絡をしたのも白鳥沢につながるところからでした」
「…そうか」
「なんだよ茂庭、いきなり出てきて…」
「いや、過去の白鳥沢ならこんな姑息な手は使わないと思うんだが…」
「…どういう意味だ?」