第18章 岩泉の願い
『・・・ッ!!』
いつのまにか寝ていたあたしは、汗だくになって跳ね起きた
目を閉じて眠っても、あの人の言葉が・・・行動が・・・
頭から離れない・・・それが、昨日までは面白くもあって楽しくもあって・・・
でも今は、それが恐怖でしかない
その言葉はすべて、あたしを殺すために自分のもとに縛っておくための・・・罠
『…あの人、サイコかよ…』
スマホを開くと、時間は1:26
着信もろもろはない
あたしは、水でも飲もうとベッドから降りて黒尾さんの部屋を出た
廊下に出ると、そこは真っ暗だけど一か所だけ明かりがこぼれていた
黒尾さんがまだ何かしているのだろうか・・・
あたしは、その部屋をこっそりのぞいてみた
そこにいたのは黒尾さんだった
・・・そりゃそうか
黒尾さんはお風呂上りなのかTシャツに短パンとすごくラフ
・・・でも髪の毛があのトサカじゃなくて普通にペタンコだから他人に見えて仕方がない・・・
にゃぁ~…
『ぁ…!!』
いつの間にか足元にネコたちが群がっていた
そういえば、猫3匹飼ってるって
「んぁ?何してんだお前、寝たんじゃねえのか?」
『あっ…いや、眠れなくて…』
「…座ってろ、今ココア淹れてやる」
『えっ…』
「今似合わねえって思ったろ?…研磨が好きなんだよ。甘いやつ俺んちによく上がり込んで来やがるから常備してんだよ」
と、黒尾さんはキッチンに入って行った
黒尾さんの足元には、猫ちゃん達が戯れている
あたしは、まだソファの上で寝ているネコちゃんの隣に座った。すごく高級感のあるソファで座ると沈むあれだ
沈んだ反動で猫ちゃんは起きたけど、逃げずにあたしの膝の上に乗ってきた
『居心地いいか?そこ』
と、猫ちゃんの頭を撫でてそう話しかけた
でも、あたしは・・・大好きな猫を撫でているのに、笑えなかった
凄く・・・
泣きたかった