第17章 天国と地獄
それから俺たちはそれぞれでやるべきことを始めた
高校を出て以降にトオル・・・じゃなくて及川は、とにかく裏の世界に近づくためにあの花街に身を落とした
俺は、及川についてその世界に入った
でも俺は及川よりも容姿に優れていないから主に裏方をしていた。その影響で今も運転手をしている
松川と花巻は、まずは世間を知るために大学に入った
特に松川はもともと知識もあったし経済力もあったから、それのおかげでロイヤルサファイヤのオーナーも務められている
花巻は、紫乃さんのことが原因でそれまでの記憶が全部飛んじまったから、昔からの人見知り傾向がなくなって人当たりが円滑になった。そのおかげで及川と共にホストになれるようになった
俺達が、20歳の時当時有名なホストクラブで働いていた及川はまだ若社長だった木兎に会った。それが転機となって俺達は自分たちで店を持つようになった。人を見る目が合った木兎が及川の経営者としての才能を見出してくれたのだ
そして、20歳の時小さなホストクラブを経営した
グループの名前は、紫乃さんの名前からもらって《青城(せいじょう)》となった
及川と俺が中心で、大学に行きながら花巻と松川もそこで働き始めた
俺以外の奴は顔がいいからすぐに店は評判になった
おかげで、金にゆとりも出始めて俺達が23の時にあのBlue Castleをオープンさせた。
その次の年に、京谷達が店に入ってさらにその翌年に国見や金田一が入ってきた
そんな俺たちは、20歳を超えてからずっとある女を探していた
それは・・・