第17章 天国と地獄
「紫乃さん!!」
ダイニングに入ると、紫乃さんは置いてあるテーブルに寄りかかってうずくまっていた
「紫乃さん!大丈…ッ!?」
トオルが駆け寄ると、すぐ息を呑んだのが分かった
寄りかかってうずくまっていた紫乃さんがお腹のあたりを抑えていて、その隙間から血が出ていた
「紫乃さん、どうしたの?」
「…大丈夫…だよ、みんな…部屋に行きなさい」
「でも…血が…」
「大丈夫…。行きなさい」
「…おい、トオル…トオル?」
いつの間にか、トオルは紫乃さんではなく別のとこを見ていた
初めて見た・・・トオルのあんな、人1人くらい殺せそうな目・・・
「お前が・・・やったのか?」
トオルが声をかけた先には、開けた窓のところに立っていた2人組
それは、あの冷たい目の男と赤髪の男
その冷たい目の奴の右手には、拳銃
2人を取り巻く空気が、その状況を物語っていた
「お前がやったのかって聞いてんだよ!!」
トオルが今にもそいつにつかみかかりそうな勢いだった
俺は「トオル!!」と叫んで抑えつけようと思ったら、
「トオル!!」
と、俺より先に紫乃さんが叫んだ