第17章 天国と地獄
俺達は、部屋のドアの隙間から廊下を覗いた
すると、玄関先で紫乃さんが誰かと話していた
それは、明らかに危なそうな人達
「これ以上、あたしたちに構わないでって言ってるのが分かんないの?」
「分かってないのはお前だ、お前の子供はどこだ」
「言わないわよ、あんたたちに言ったらどんなことされるか分かんないし。どうせスラムの子供たちみたいに人身売買とか臓器売買のために使うんでしょ?」
「そんなわけないだろ、白鳥沢のために・・・」
「そもそも白鳥沢のためって何さ。あたしの時みたいにより有能な人種を集めるための餌にする気なんでしょ?」
「…それがお前の仕事だろう。」
「・・・あんたのその考え方が昔から嫌いなんだよ!!いいから帰りやがれ!!」
紫乃さんが、聞いたこともない罵声を浴びせていたのは黒い服の男の人達をたくさん連れている白髪のおじさんだった
きっとあの人が、紫乃さんの・・・
「そんなことを言うと、お前が抱えているそのガキ共もどうなるか分かってんのか?」
「…ッ!!」
おじさんが言ったのはきっと俺達のこと
紫乃さんは優しいから俺達のことを出されたら、どうしても負けてしまうんだ・・・
「やれるものならやってみなよ」