第17章 天国と地獄
それから、さらに5年が経った
俺達は、無事中学生になっていた
でも、その間にたくさんのことが起こった
そして、あんなことがあったんだ・・・
夜琉を手放してから、毎週のように白鳥沢の人達からの嫌がらせを受けるようになった
家には毎日脅迫の手紙、白鳥沢に戻れという命令文・・・
白鳥沢の総帥は、自分の利益のためならどんなことでもする冷徹な男だったから跡取りを見つけるためにいつも紫乃さんに嫌がらせをしていた
その矛先は俺達にも向いた
下校中に、車で引かれそうになったり誘拐されそうになったり・・・
「クソ…白鳥沢の奴ら、やり方がきたねえだろ…」
「紫乃さん、どんどん痩せてきてるしね…」
俺達は、部屋にこもっていろいろ相談していた
俺達だってもう中学生だったからそろそろお世話になっているだけじゃいけないと思っていたからだ
「…いっそ俺達で白鳥沢つぶすか?」
「ハジメちゃん…それは無理だよ。命いくつあっても足りないよ…」
「むしろ小指の先で首切られるぞ…」
「岩泉のその無鉄砲なとこ、俺は好きだけど…」
相談って言ってもそういうくだらないことばかりだった
すると・・・
「…って言ってるでしょ!?」
廊下で紫乃さんが叫んでいた
それも、今までに聞いたことのないくらいの声で・・・