第16章 幸せな時間
ピンポーン・・・
と、みんなで赤ちゃんを見ていたら家のインターホンが鳴った
紫乃さんは、花巻に赤ちゃんを託してドアを開けに行った
「あっ…あぁ…!!ちょ…助けて!!」
腕の中で暴れるあかちゃんを花巻が右往左往しながら抱えてる
それを俺達は笑いながら見ていた
「あぁ~…」
「あっ…!!ちょッ待って!!及川パス!!」
「うぇ!?俺…!?」
花巻が赤ちゃんをトオルにパスした
パスされたトオルもちょっと焦ってたけど、赤ちゃんはトオルに抱かれたら急に大人しくなってキャッキャと笑いだす
「おっ、及川懐かれてんな。」
「へへっ、俺いいお父さんになれるかな~」
「その前にお前は結婚できねえだろうから、そりゃ無理だな」
「ハジメちゃんひどい!!」
4人でバカ言いながら赤ちゃんをあやしていると、紫乃さんが戻ってきた。誰か別の女の人も一緒だった
「おぉー、さすが紫乃。いい子そうな子が揃ってるね~」
「でっしょ~。みんないい子だよ~」
紫乃さんを呼び捨てにするってことは、この人は紫乃さんの友達だと分かった
「初めまして、天川朝沙です。紫乃とは中学からの友達なの」
この人もすごく優しそうだった
紫乃さんと一緒にいろいろ話してるみたいだ
「あっ、その子。紫乃の子って」
「そ、あたしに似て可愛いでしょ?」
と言いながら、トオルに抱かれている赤ちゃんに目をやる
「…?」
俺達が天川さんを見てきょとんとしていたのを察したのか紫乃さんは俺達に紹介してくれた
「…朝沙はね、この子のお母さんになる人なの」
「紫乃の代わりに育てるのよ」
と、2人ともちょっと複雑そうな顔をしていた
そりゃそうか、自分の子供を友達と言ってもほかの人に託すんだから・・・