第15章 地獄と天国
2人についていくと、大きな部屋に着いた
その中には、俺達より小さい子供がたくさんいた
「おっ?来たな新人」
子供たちに囲まれていたお姉さんが俺に気が付いて近づいてきた
お姉さんは子供たちをそれぞれ席に着かせていた
近づいたお姉さんは俺に視線を合わせるためにしゃがみこんだ
そして俺のデコに手を当てた
「…うん、熱は下がってるね。」
「あの…俺達」
「君、道の真ん中で倒れてたんだよ?覚えてないの?しかもTシャツって…」
お姉さんの話によると、俺は花街とスラムの間の道で倒れてたらしい。しかも凄い熱が出てて手足も凍傷になりかけていたらしい・・・
「あの…トオルも…?」
「あぁ、あの子ね。君がスラムの子だっていうのはすぐ分かったからほかにもいないか探してたの。そしたら、一静と貴大が見つけてくれたの」
「いっせ…?」
「君を呼んできてくれた2人。あそこの席に座ってる2人だよ。君、年は?」
「…8」
「おっ、2人と一緒だね。じゃあ君も2人のとこに座って。ご飯持ってくるから」
お姉さんはそう言って俺の頭を撫でてキッチンに戻ってしまった
2人の座る机は、部屋の1番奥だった
2人は少し会話をしていたがほとんどそれぞれ本を読んだりぬいぐるみと遊んでいた
「・・・座っていいか?」
俺は少しためらったが、そいつらに声をかけた
ピンク髪の方はちょっと嫌そうな顔をしたがもじゃもじゃの方はコクっとうなずいた
俺は、それに軽く頭を下げて返した