第15章 地獄と天国
「ん…」
目を覚ますと、見知らぬ場所のベッドの上にいた
外じゃない、壁が見える。白い壁・・・病院?
俺は身体を反転させて反対側を見る
見えたのは、トオルの寝顔・・・・・・
「トオル!?」
ガバッと起き上がると俺にかかっていた厚めの毛布が落ちた
ココはどこだ?
病院じゃない、大きなタンスに鏡のついた机・・・どこかの家か?
俺は周りを見回しながら自分自身も見た
あの根性論って書かれたTシャツじゃなくて、白くてフワフワした長袖のシャツを着ていた
「ん…ハジメ…ちゃ……」
と、小さくつぶやいたトオルは寝返りを打ってまた眠ってしまった
俺はそんなトオルの頭を撫でる。熱は引いているみたいでさっきより熱くなかった・・・さっき?
あれからどれくらい経ったのかな・・・
ガチャ・・・
トオルの頭を撫でていたら、扉が開いた
入ってきたのは、俺と同じくらいの子供が2人
本を持ったもじゃもじゃの奴とその後ろにくっついているぬいぐるみを抱えているピンク色の髪をした奴
「…なんだよ」
「…ごはん」
と、一言だけ言ってもじゃもじゃとピンク頭は部屋から出て行った
・・・ご飯と言われると、人の腹の虫は正直なものだ
俺はトオルを心配しつつベッドから降りて部屋を出た
部屋の外にはまだ2人ともいて目でついて来いて言ってきた
・・・こいつらとは分かり合えないとこの時は思っていた