第15章 地獄と天国
席に座ったはいいが、会話がほとんどなかった
ピンク髪は俺に怯えてるみたいだし、もじゃもじゃの方も本を読み続けていた
「・・・。」
「…お前、熱は?」
先に話しかけてきたのはもじゃもじゃの方だった
本を読みながらだからこっちを見てはいないけど
「…大丈夫。お前らが助けてくれたんだろ?その…ありがとな」
「紫乃さんに頼まれたから。」
「紫乃さん…」
「あたしのことだよ」
と、さっきのお姉さんが戻ってきた
お姉さんが持ってきたのは、真っ白いもの・・・たしか、シチューだっけ?
「あたしは、青城紫乃。君は?」
「…岩泉一。」
「ハジメか、よろしく。まずは食べな。一静、貴大。優しくしてやるんだよ」
と言って、お姉さん・・・紫乃さんは小さい子供の方へ戻って行った
「いただきます」「…いただきます」
2人は小さく手を合わせて食べ始めた
俺も、スプーンを手にシチューをすくって口に入れた
・・・すごくおいしかった
あったかい食べ物事態久々だったから余計においしく感じた
「…岩泉?」
「…ん?」
「…俺、松川一静。そっちが花巻貴大」
「…!!」
「…そいつ人見知りだから」
もじゃもじゃ・・・じゃなくて松川が自己紹介してついでにピンク髪・・・花巻の紹介もしてくれた
花巻はどうも俺のことが苦手みたいだ