第3章 夜の女になる
「じゃあ、ここが部屋」
10階建てのホテルの最上階、きっと一番高いお部屋
案内してくれたのはあの甘いにおいのたばこの人とピンクの髪の人
この2人は、松川さんと花巻さんというらしい
松川さんは、社長の及川さんに代わりこのロイヤルサファイヤを任されているオーナーさん
花巻さんは、青城が経営しているホストクラブの中で一番高いお店《アクアマリン》のホスト。ちょうど非番だったみたいでついてきていた
「ここはな、2階が本社。3~6階が高級ラブホで、7~10階がソープランドの《ロイヤルサファイヤ》。ソープランドの各部屋に女の子たちがいて普通に酒を飲んだり話したり、もちろんソープの仕事に性行為もしたりそれは客とお前らの自由だ。あと、うちは完全指名制だからな。フリー制度はないから」
『はぁ・・・んで、あたしはなんでこの高い部屋?』
あたしは窓から見える景色を眺めながら松川さんの説明を聞く
「階が高い部屋ほど指名料が高いんだ。お前はここの部屋のソープ嬢だから1番高いんだ」
『だからなんでこの高い部屋なんですか?』
「さぁな、及川の命令だからな」
と、ツンとしている松川さん
ふーん、とまた窓の外を見ていると・・・
急に視界が揺れて体が浮いた
「じゃあ、せっかく来たから俺お試ししていいか?」
「・・・あぁ、勝手にすれば?俺ちょっと風呂入る。まだ入ってねえし」
「うぃー」
と、説明を一通り終えた松川さんは部屋から出て行った
部屋に残されたあたしと花巻さん。あたしはいつの間にか花巻さんにお姫様抱っこをされていた・・・
「じゃあ、遊ぼうか」
またこの言葉だ・・・
でも、遊ぼうの言葉の重みが全然違った・・・