第3章 夜の女になる
「まっつん、じゃあ部屋と仕事の説明のために最上階つれてってあげて」
「はぁ?なんで俺が・・・」
「まっつんがロイヤルサファイヤのオーナーでしょ?」
と、大きなソファに深く座ったお兄さんはポケットに入れていた煙草に火をつけた
テンパのお兄さんは、煙草を灰皿で消してお兄さんの隣に座った。ちょっと聞かれちゃいけない話をしているみたい
「ねぇ、君可愛いね~。名前は?」
『はぇ?…あぁ、天川夜琉です』
「夜琉ちゃん…可愛いね~」
と、部屋の扉の前に立ち尽くしていたあたしにピンク髪さんが絡んでくる
この人からはタバコのにおいはしない
「及川…こいつ…」
「ちょっと若くないか?」
ツンツン頭の人の言葉を遮ってテンパの人が言ってきた
うん、未成年者だって
とお兄さんはへらっという
「は?いいのか?」
一応オーナーであるこの人は、そのあたりをやっぱり気にしていた
お兄さんはやっぱり、大丈夫でしょと笑う
はぁ・・・と天パのお兄さんは諦めたようにため息をついてソファから立ち上がった。話は終わったようだ
「おい、そこのお嬢ちゃん。」
『夜琉です。』
「・・・夜琉。ついて来い」
とだけ言って天パさんは机の上に置いていた部屋のキーをチャラっと鳴らして部屋を出て行った
「あっ、俺も行っていい?」
と、ピンク髪のお兄さんも天パさんに着いて行った
あたしは、訳も分からずにその2人について行くことしかできず、部屋から出た
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「及川・・・あの子、どうするつもりだ?」
「・・・やっぱり岩ちゃんも思った?」
「・・・及川、まだあの人を・・・」
「今度は・・・絶対に失わないよ。今度こそ・・・」
俺の手元に・・・いてもらうんだから・・・
もう絶対に・・・失いたくないから・・・