第13章 白鳥沢と青の野望
「彼女は、ある事件がきっかけで命を落としてしまいました。紫乃さんは、前総帥の1人娘だったので他に血縁者がおらず正式に白鳥沢を受け継ぐ者がいないのです。」
「今は仮ではあるが俺が総帥と呼ばれている。だが、正式ではないから取引上の問題も多い。だから、正当な後継者である夜琉と子を成す必要がある。」
・・・つまり
牛島さんは、立場上は白鳥沢のトップだけど血縁上は全くの無関係者で血縁者が欲しいから本当の血縁者である青城紫乃さんの本当の娘のあたしと結婚・・・ということか
『…?』
それでも納得のいっていないあたしは首を傾げた
・・・牛島さんは納得していないあたしに納得していないみたいで小さくため息をついた
「…お前と結婚をして子供を作れば白鳥沢の名は守られる。だから、俺と結婚しよう」
『・・・??どーして、紫乃さんは白鳥沢に居なかったんですか?』
「えっ…」
『お母さんの話を思い出したんですか、紫乃さんは保母さんをしているって聞きました。なんでわざわざ白鳥沢を…』
「…。それについては教えられない。ただ、今の俺には…いや、白鳥沢にはお前が必要なんだ。今は何も聞かず、俺と結婚しろ」
牛島さんは、さっきからそればかりだった
必要だなんて言われても・・・、青城紫乃さんのことを言われても・・・納得なんてできなかった。
それに・・・わざわざあたしをお母さんに託したって・・・
それって白鳥沢に何かあるってことじゃないの?