第12章 黒猫の遊戯
ポーン・・・
エレベーターが軽い音を出して部屋の前で止まった
『あっ、こんばんわ!!』
「よぉ、久しぶりだな。相変わらず小生意気そうな顔してんな。1時間10万女。」
『小生意気で結構です~。10万女にお金かける暇人お兄さ~ん』
「あぁ~生意気、ってか酒いれてくんね?俺ちょっと今日は疲れた…」
『あっ、何呑みます?』
「あぁ~、生で」
『はーい』
黒尾さんはズカズカと部屋に入って行ってしまった
着ていたジャケットをソファにブン投げてベッドにダイブした
・・・シーツ替えといてよかった
『何してたんですか?』
「仕事だ。あぁ悪いな」
冷蔵庫で冷やしていたグラスに生ビールを入れてベッドに寝ている黒尾さんに寝ながら呑むのはやめてくださいと言いながら渡す
『お仕事何してるんでしたっけ?』
「…昼の仕事は秘密。夜は基本はバーテンダーだ」
『秘密って…なんかやばい仕事してそうですよね黒尾さんって』
「やばいってなんだよ…っつかよぉ、俺一応客なんだけど?」
ベッドのそばに置いてある小さなテーブルにグラスを置いて黒尾さんはベッドに完全に横になった
「…癒してくんねえの?お姉さん」
あの胡散臭い笑顔であたしを手招く
仕事上仕方ないにしても、この人とナニかするということはちょっと変な感じがする
まぁ、しないことを期待してグラスをのせていたおぼんをおいてベッドに上がった
「ほい、こっち来て」
と、黒尾さんは横になりながらポンポンと隣に来いアピールをしてきた