第11章 白鷲の帝王と及川の秘密
あれからしばらく走らせていてから、及川さんが大きな建物の地下駐車場に入った
さっきチラッと見えたけどとんでもない高層マンションだった
車から降りてエレベーターに乗り込む
及川さんが押したのは、18階のボタン。20個あるうちの18って…相当上階にお家を構えてらっしゃるのね・・・
*****
「はい、まずは手当だよ」
及川さんのお家に入ると、そこはあたしが働いているホテルの1室よりも豪華な部屋だった
そこに置いてある推定価格うん百万の大きなソファに座るあたしの前に薬箱を持ってきてくれた及川さんは、あたしの手をまずは綺麗に拭いてくれた
・・・でも、
『痛ッ――――!?』
「そりゃ痛いでしょ、ちょっと我慢ね」
切れた傷口に消毒液を付けた脱脂綿を当てて消毒をして包帯を巻いてくれた
「…はい、できたよ。」
『うぅ…ありがとうございます…』
ちょっとまだビリビリしている手を支えながら及川さんに頭を下げる
及川さんは、ご飯作るから待っててね。
と言って結構広そうなキッチンに入って行った
・・・料理できるの?
あたしは、及川さんがいない間お家の中を見て回ることにした
凄い広い家だな…と思いながらダイニングを出た
・・・1つ1つの部屋を見るのにも結構時間を使った
最後に入った部屋は、きっと及川さんの自室
いつも及川さんが来ている白いスーツが壁に掛けてあった
電気の場所が分からないから廊下から差し込む明かりだけを頼りに中に入った。
ふとあたしは、棚の上に飾られている写真が目に入った
Blue Castleの前で及川さんと岩泉さんと花巻さんと松川さんが撮ったものとか、きれいなお姉さんと写っているもの
・・・あっ、及川さんが小さい時の写真だ
ふと目に留まった4人が小さい時の写真だった
へぇ、岩泉さんと花巻さんと松川さんって小さい時からの知り合いなんだ・・・みんな可愛い。
4人の他に小さい子供が数人・・・それに、この女の人・・・
なんか、誰かに・・・
「何してんの・・・?」