第9章 再び
『ぁ…れ……?』
目が覚めると視界にうつったのはお昼にも見たあの見慣れた天井だった。
色々な薬品の匂いが鼻にツーンとくる。
そうここはお昼休みにも来た保健室だった。
『ん…』
それにしても体がだるい。
顔も何かまだヒリヒリするし…ん?ヒリヒリ?
そういえば、私が菅原先輩の学年の事考えていて翔陽に名前を呼ばれたからそっちを振り向いたらボールが私の目の前にきて…
『当たっちゃったってことか…』
「よく考え事するねぇ」
いつの間に彼がいたのか、私は気づくことが出来なかった。
声のした方を見る為に、体を起こしてみるとそこには椅子に座っている月島くんがいた。
「何…僕じゃ駄目なの?」
『いや…別にそういうつもりじゃ…』
ムスっといじけた顔をされて思わずそう答えてしまった。
「ふーん、ならいいよね?」
『え!?そういうつもりじゃ…ってちょっと!?』
月島くんはベットに座っていた私をそっと押し倒してきた。
「あの後何があったかは知らないけどさ、抑制剤飲んだの?」
『そりゃ飲まないとここにいないですよ』
飲んでないなら今頃帰って引きこもってるよ…
元々持ってきていない訳でもないからそういうことにはなったことはないけれど。
「ま、それもそうだね。そうだ…ねぇ、明日も薬飲まないで来てよ」
『何故そうなるの!?』
月島くん私の話聞いてた!?
飲まないとまた色んな人を巻き込んじゃうかもしれないし…
「また昼休みにしたコトとかできるでしょ?」
『何言ってるの…!あれはヒートのせいで!』
そう、ヒートのせいだよ。
あそこまで辛くなるとも思わなかったし、なった時に誰かと会うことなんてなかったから…
「ヒートの時の君…凄かったよ」
彼はニヤリと口角を上げてそう呟いた。
『そ、そんなの聞いてないの…!あと顔近い!』
「まぁいいや、そろそろいいでしょ?」
あれ、これお昼休みにも似たようなことがあったような気がするぞ…
「僕だって我慢出来ないことくらいあるんだからさ」