第8章 お誘い
3人が練習にいったと思えばまた知らない人がそこに現れた。
『はい、見学です』
見た感じでいうと明らかに1年では無さそうな人だった。
2年?…いや3年かな?
どちらかはわからないけれど、とても優しそうな人に見える。
「そっかそっか、まぁ気楽にな!」
『はい、ありがとうございます!』
お礼を言おうと思ったけど初対面の彼の名前なんてわからない。
聞こうとしたところで気づいたのか彼の口が再び開く。
「あ、俺は菅原孝支!君は1年かな?」
『はい!1年の天野です。よろしくお願いします!』
「よろしく!ボール飛んでくるかもしれないから気をつけて見学しろよー」
『はい、頑張ってください!』
ありがとう、と言って菅原さんは手を振るとそのままコートの方へと行ってしまった。
それにしても菅原先輩、優しそうな人だったなぁ…。
3年生…なのかな?
コートの方を見てみると皆のことまとめてるっぽいし…
『んー…』
「ヤベッ、!!危ない!」
『え?』
突然翔陽が叫ぶ声が耳に突き刺さり、そちらの方へ向いてみるとボールが勢い良くこちらへと飛んできていた。
考える暇もない私は反射的にそのまま目を瞑ってしまう。
数秒も経たないうちに、バシンッとボールが打ち付けられる音が体育館内に響いた。
顔に物凄い痛みを覚えた私はそこで意識を手放した_