• テキストサイズ

甘い甘い君が好き【HQ】

第6章 救世主




どのくらい経っただろう。



しばらくして、耳元から感じる感覚がなくなった。



そのままどちらも会話がないまま沈黙していた時、彼の冷たい手が私の頬にそっと触れた




『ぁ…っ…、』




触れられただけなのに、少し冷たいだけなのに、



ただそれだけのことでさえ、ヒートのせいで変な声が嫌でもでてしまう。


早く薬を飲まないと、わかっていても、彼がそれを渡してくれる様子はない。




どうしようかなんて悩んでいるうちに、彼の唇が、私の唇へと近づいてくる。



抵抗することさえ出来なくて触れそうになった時、



勢い良く扉が開く音が聞こえた。



あぁ、どうしよう。



先生かな、それとも全然知らない他学年の人かな。



同じクラスの人だったらどうしよう。





こんなところ見られるなんて__________





「おいっ!お前何してるんだよ!」




終わったな、なんて思いながら閉じた目を開けて、声のした方へとゆっくりと視線を向ける。



それは聞き覚えのある声で……




『…しょ、ぅ…よう…?』




視線を向けた先にいたのは、私の唯一の幼馴染みである日向翔陽。



この状況でいえば、私にとって彼は救世主に見えた。


/ 52ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp