第6章 救世主
本当にどうしてここまで運が悪いのだろう
後悔してもしきれない程の運の悪さに反吐がでる。
あれからというものの、後ろから囁かれたせいで、少し収まっていた身体がまた疼き始めた。
そんななか、彼は私の耳を甘噛みしてくる。
それはとても痛いものじゃなくて、歯を立てないようにし、そっと舐められるようなそんな優しい甘噛み
かといって、それは今の私からしたら充分危険な状態。
舐められるような感覚を感じていれば、耳元は水音に犯されて、身体がジワジワと熱くなる。
また私は、自分の知らない感覚を味わう事になる
こんなの知りたくないのに、
分かりたくもないのに、
彼は今もゆっくり、ねっとりと優しく噛み続ける。