第1章 天使達
「それでは皆さん、今日学習した人間社会についての復習をしっかりしてくるように~!」
穏やかな口調でリリの担任の先生であるミカエル先生は生徒達にそう言った。
「せんせーさよなら~!」
生徒達は先生に挨拶をして帰っていく。
リリは急いで帰る支度をして教室から飛び出そうとした。
が
「リリ!あなたはこっちですよ!」
あっさりとミカエルはリリの首根っこを捕まえてしまった。
「せ、せんせー!お願い!今日は見たいテレビがあるの!」
「そんなの言い訳になりません。さ、今日こそ補習するわよ」
リリはクラスでもぶっちぎりで成績が悪い問題児である。
故に放課後はほぼほぼ補習という、なんとも味気ない生活を送っている。自業自得なのだが。
「あなたは実習になればやる気を出すのに、なぜテストは名前を書いた瞬間机につっぷして寝てしまうのですか?」
「だってつまんないし分かんないもん!」
リリは真っ当な意見であるかのように反論したがミカエルは大きくため息を吐くだけで後は何も言わなかった。
ミカエルの言ったとおり、リリは成績こそ最下位であるが実技はいい意味でぶっちぎりであった。
しかし教科書などを使ったデスクワークになるとサルのほうがりこうではないかと思うほどポンコツ化してしまうのだ。
真面目に勉強すればできる魔法も増えて、リリの実力はとんでもないものになることも可能かもしれないのに。とミカエルは思っていたが、本人は勉強する気はさらさら無いようなので多分この子が立派な天使になることはないだろうと思い、半分落ちこぼれ扱いをしていた。
「今日は前の授業で習った呪文をすべて100回ずつ書き取りしてもらいます」
「100回?!10回の間違いじゃなくて?!」
リリは叫んだ。
「あなたの集中力じゃ100回書いても覚えるかどうか不安ですけどね。終わったら呼んでください。」
「ムリムリムリムリ!テレビ始まっちゃうよ~!!!」
リリの反論もむなしく、ミカエルはリリを補習室に連れてくるとそそくさと部屋を出ていってしまった。
「先生ってばどこが天使よ!あんな鬼みたいな天使、天使失格だぁ~!!!」
リリの怒りの声がむなしく部屋に響きわたった。