• テキストサイズ

太宰さん

第3章 記憶


ここはー。

目を覚ますと、そこには見慣れぬ天井があった。

私は何をしていたのだっけ…。

「お、目が覚めたかい?」

茶色のボブカットの人が話しかけてきた。
私は起き上がろうとしたが、

「ーいたっ!!」

「あーダメだ、じっとしてな。あんた重症患者だったからね…。出血多量で、あともう少し運ばれるのがおそけりゃ、間違いなく死んでたよ。」

ああ、そうだ私…。たくさん怪我してて…。
でもあんな怪我私どこで…。

「ところであんた…、名前はなんていうんだい?」

名前…。私の名前…。
記憶の箱を探ろうとしてハッとする。
そうだ、私…。

「記憶が、ないんです…。」

「え…?」

「自分が誰か…何をしていたのか…この怪我も、どこでこんなことになったのか、全くわからないんです…。」

その時、ボブカットの人の向こうにあるドアがパッと開いて、一人の男の人が入ってきた。

/ 14ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp