• テキストサイズ

太宰さん

第2章 偶然


与謝野先生の治療の間、私は彼女の荷物を勝手ながら漁らせてもらった。

彼女は手持ちの小さな鞄を持っていた。口の小さい、女性らしいデザインだった。

身分証明書のようなものがないか、何より私が探している物は、彼女が何者なのか、確認できるような証拠だ。

彼女の顔を見て、ハッとした。

偶然にもほどがある。

本当に彼女だと信じてもいいのかー。私はとにかく確信できるだけの証拠が欲しい。





鞄のなかでごそごそと動く私の手に、何か硬いものが当たった。

USBメモリー?

急いでノートパソコンに繋げると、驚くべきものが目に飛び込んできた。

ー間違いない。









この女性は、中也が先日探していた女性だ。
/ 14ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp