• テキストサイズ

私達は偽者シンデレラ

第22章 彼の訪問


「え、えーっと…。あまりよろしくないけど、持っては…。いなかったな。」


申し訳なさそうにお父さんは頭を掻いている



「お父さん、昔は本格的に不良だったりして…。」


明人がお父さんの様子を伺うようにちらっとお父さんを見る。


「まぁ、授業サボったり、たばこ吸ったり、他校のやつらと縄張りの抗争したりしてた…な」


「少し気まずそうに話してるけど、それだいぶヤバイからね!ほんとはだいぶ気まずそうに喋らなきゃいけないんだからね!」


明人のつっこみに、お父さんはハハハ、と申し訳なさそうに笑う


「確かにそれはヤバイっすよ、親父さん。体に悪いし。」



「日代さんの現役時代はどうだったんですか?」



明人の問に私はハッと身を固くする。これは…。昔の日代君のことを知りたいと、思っていたことに繋がってる…!



「そうだなぁ、そもそもたばこ、酒、違法なドラッグ禁止、授業は絶対参加。無意味な暴力は振るわないってのがred crashの掟だったからなぁ。リンチあってるやつを助けて、返り討ち、とかはあったんだけどよ。」


red crashって結構謎だよね。掟が厳しいし、喧嘩を目的としてなさそうな節があるから。



「え、じゃあred crashはなんために活動してるんですか?」



明人が…!ズバスバと本題に入っていく…!



明人を見習ってもっと直球で聞けばいいのだろうか。



そもそも私は何で日代君の過去を本人から聞くのをためらってたんだっけ。


思いめぐらせて、やっと思い出す。



昔のこと話してると、ちょっと後ろめたそうに喋るときあるんだよね。



聞いても、大丈夫なのかな。




/ 206ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp