第22章 彼の訪問
「普通二輪免許持ってます。俺、4月生まれなんで、高校入学してすぐに免許取りました。」
4月生まれなんだ…。って誕生日過ぎてる…!
思わずガックリとうなだれそうになる
「へぇ、何日生まれなんですか」
明人ナイス!
きっと私に気をまわしてくれたに違いない
「1日だ。」
「めちゃくちゃギリギリだな。」
お父さんが笑う。
良かった…。あと一日早かったら私達違う学年で、出会うことも無かったかも…。
プレゼント渡せなかったのはショックだけど、まぁ、その頃はまだ知り合ってなかったからしょうがないよね。
なるべくポジティブに考える。
「ところで普通二輪ってどういうこと?バイクの免許って何種類もあるわけ?」
明人がお父さんに尋ねていることは、確かに私も思っていたことだった。
「大きさによって免許が違うんだよ。ほら、よくまちでおばさんが乗ってるやつあるだろ?あれは原付。日代君のバイクは、この前も見たけど、400ccのバイク。見た目だけでも全然違うだろう?」
「うん、じゃあ、大きさによって扱いにくいものがあるから種類が違うってこと?」
「そういうことだな。」
日代君は明人にそう答えた。
な、何だか専門的な話になってきたな。
「それで、日代君が持っている免許は、16歳で取得可能な免許のうち、一番でかいサイズのバイクの免許だな。」
いやー、すごいね日代君。なんてお父さんは頷いているけど…。
「お父さんは荒れてたとき、免許持ってたの?」
私が一番気になったことを聞いてみることにした。