• テキストサイズ

私達は偽者シンデレラ

第22章 彼の訪問


「でも、何だかその名前、大袈裟すぎて気持ち悪く思うんだけどな。」



「確かに、ラスボス感漂う名前ですね。」



明人の返事を聞いて、思わず日代君が魔王の格好をしているところを想像する。



「でも何か、勇者に闘い挑まれても、ケガするだけだからよしときなって諭しそうだね」



あまりにも私の想像した魔王の衣装が似合ってなかったのと、勇者の肩にポンと手を置いて、日代君が優しく諭すところを想像して、笑いがこみ上げる



「……。でも案外俺も魔王かも知れないな。」



と怪しげに日代君が笑う。



「何かそれ、悪役みたいな笑いかたですね」



日代君は声に出して笑っても、ハハハッと笑う感じだからか、フハハハ、と笑われると違和感がある



「でも日代君は正義の味方だよ?優しいし。家族おもいだし」



明人の言葉に私は思わずそう言った。


「悪役は向いてないよ。」


「それはありがとな。」



私の言葉に日代君はいつも通りの笑いかたをする。


あ、目尻にしわができてる。


日代君は笑うとき、顔を少しクシャッとして笑う。


それが何だかいいな、とは思っていた。座っていて同じくらいの目線になって、今、気がついた。


かわいいな。本当に楽しそうに笑うよね、日代君って。


右隣に座っている日代君を思わずポーっとして見ていると、左隣に座っている明人が私を肘で軽くつついてくる


あ、いけないいけない。



「そういや、日代君はバイクの免許持っているのか?」


お父さんはその事がずっと聞きたかったらしく、言えるまでずっとそわそわしていた。







/ 206ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp