第20章 テストの結果
「ごめんね、急に会いたいって言って」
あのあと日代君とは私達の最寄り駅の近くにあるハンバーガーショップで会うことになった。
急に私が言い出したことにより、慌ただしくなったが、藍那と由梨花は頑張りなよ!と私を送り出してくれた
「別にかまわねーよ。俺も部活に入ってねぇから暇人だしな。確かに、急だったからびっくりしたけどよ」
日代君は私の向かい側に座る
「なんかあったのか?」
「なんかって?」
「俺と友達だからって脅されたり…とか。」
申し訳なく思っているのか、ためらいながら言われる
「そういうのは大丈夫。何も言われてないよ。ただ、一緒に勉強してからずいぶん時間経ったからどうしてるかなぁって。」
衝動的に日代君に会いたくなりました。日代君不足です。などとは口が裂けても言えない。
「あとごめんね。図書館で日代君のことほったらかしにして」
「ほったらかしにはされてねぇよ。ただ、知り合いと話をしてただけなのに謝る必要もねぇ。」
日代君が寛容過ぎて自分が物凄く小さく感じる
「あ、そうだ。お前に1番に報告してぇことがあった。」
日代君はごそごそと鞄をあさり、数枚の用紙を取り出した。
「お前のおかげで、すげぇいい点取れた。ありがとな。」
7、80代がずらっと並び、得意な数学と、私が教えた英語は90点代だった。
順位も400人中50位。
「…。日代君ってもともと順位良かったんじゃないの?」
毎時間寝てるとか、いつも教えてもらっているとか言っているから、もっと危機的状況かと思っていた。
「いや、宮原の渡してくれたノートあっただろ?あれ、結構助けになった。授業とか寝ちまっていつもろくにノート取れてなかったからな。すぐ見返せてきれいにまとめてあるノートがあったら便利だな」
それでもこんなにいい点数取れるってすごい気がする…。
「いっつも300位以下だったんだけどよ、急に上がったからせんせーたちにはカンニングでもしたのかって言われたな。」
にっ、と笑う日代君の笑顔は本当に嬉しそうで、私までつられて笑ってしまう
ああ、この時間が幸せだな、と思えた。