第20章 テストの結果
結局、クレープを食べ終った後も、近くのショッピングモールに行って雑貨屋を物色したり、本屋に立ち寄ったりしていたら、いつもの帰る時間と変わらない頃合いになった。
「楽しかったねー」
「やっぱりテスト後は、遊んでストレス発散するのが1番だよね。」
ずっと座っていたからかな。
そのときマナーモードが解除されていたスマホが着信を告げた
しかも電話の方だ。
取り出して見てみると、
日代君
という白い字が浮かび上がっている。
名前を見て固まっている私を不審に思ったのか、二人がスマホの画面を覗きこんだ
「日代君からじゃん」
「出なよ、勿体ない。」
「う、うん。」
二人に促されて
通話のボタンを押す
指先が震えているのがわかった
「もしもし。」
声までもが震えている。
前までこんなに緊張して日代君と話してなかったよね?
「もしもし。宮原、今学校終った」
思いのほか日代君の声が耳元で聞こえるので、恥ずかしくなった。
「お疲れ様。」
「そんでよ。昨日でテスト全部返却されて、今日順位表も返ってきたんだ。それが、高校入ってから1番いい成績だったから、礼を言いたくなった。ありがとよ」
「そんな、わざわざ電話じゃなくても良かったのに。」
「やっぱり文面と声だったら伝わるものが全然違うじゃねぇか。俺はお前に感謝してもしきれねぇくれぇ感謝してんだよ。でもLI〇Eだけだったら、お前のおかげですげぇいい点取れた。ありがとう。つって、スタンプ送るだけだろ?」
一生懸命、その事について日代君が語っているだけで、どれくらい感謝されているかが伝わってくる。
胸の奥がほわりと温かな気持ちになった
それに、そういうふうに考えるのもやっぱり彼らしい。
「会いたいな」
スルッとそんな言葉が飛び出して慌てる。
何を言ってるんだ、そんな無茶ぶりダメに決まってるだろう。
「わかった、どこで待ち合わせる?」
慌てて弁解しようとする前に、彼からそんな返事が返ってきた