第20章 テストの結果
「あのね!日代君は、私のことを妹みたいとか、だからどうしても世話やきたくなるっていってるんだよ?それは…あり得ない、かな」
最初は啖呵を切るように喋っていたが、自分でもむなしいことを言っているのに気がついてしりつぼみになる
「うーん、でも本当に妹のように感じてるのか、そこが問題だよね。妹みたいって言っても、かわいいとか、守ってやりたくなる、っていう意味が含まれてたら、脈ありだと思うなぁ」
藍那は何を思い巡らせているのか、天井を見上げる
「ちょっと、ポジティブにならないとずっと停滞しそうだよ!心春、まだ恋は始まったばかりなんだから、前向きにならなきゃ」
「だって、人を好きになるって久しぶりだし。」
「そりゃ、たくさん出会った人の中で、特別に大切な人ができるんだよ?そんなのしょっちゅう起こらないよ。私だって祐希君が初恋の相手で、初めての彼氏だし。」
由梨花は周りの人たちが数か月付き合っては別れる、というパターンが多いなか、2年以上付き合っている。
お互いのことをよくわかっていて、もうすでに夫婦のようだ
初恋の人とそんなに長い間、お互いを大切に思いあえるというのはなかなかにすごいことだと思う
「それに、藍那みたいに会ってすぐ付き合うっていうのもなかなか少ないけど、それでも上手くいってるってことは、それが正しい選択だったんだよ」
「そうだよ、後ろ向きに考えたって、相手には何にも伝わらないよ?伝わらなかったら、相手の気持ちもわからないし。」
それもそうだ
私も彼を好きだと気づいたとき、この恋を大事にしたいと思えた。
でも、大事にしすぎては、結局それは何も成せるものはない。
「とにかく、心春は日代君にどうしたいのかを考えるべきだね。」
藍那が私にそう言った。
私は彼にどうしたいのかな…