第20章 テストの結果
「祐希君たちが同じ学校だったら良かったのに」
「そうだよね!私もしょっちゅうそんなこと考えてるよ」
由梨花の呟きに藍那が激しく同意する
「確かに、学校行事とか一緒にできたら楽しいだろうなー」
「それだけじゃないよ。あの人たちの場合、共学だから、他の女子との接点が増えるから、浮気されるとかは心配してないけど、彼にアタックする女子が出てこないかヒヤヒヤするし!」
藍那が悔しそうに地団駄を踏む
「まぁ、でも一緒じゃないからこそ、そういう女の子とのいざこざもないからね。そこはメリットかも」
由梨花は少しでもいいところをみつけようとしているようだ
「それに会えないぶん、デートができたら余計に嬉しくなるもんじゃない?」
「それはそうかもしれないけど…」
いまいち腑に落ちないようで、藍那は口を尖らせる
そうこうしているうちに例のクレープの店に着き、中に入って注文してからも話が尽きることはない
そのとき、私のスカートのポケットが震えた。
慌ててスマホを取り出すと、日代君からL〇NEが届いていた
゛テストお疲れ様。゛
何気ない一文に顔が緩む
「なになに、日代君から?」
由梨花の勘が鋭すぎて怖い。
「うん。」
「そーいや、今ごろは昼休みの時間帯だね。」
藍那が腕時計で時間を確認する。
12時半を少し過ぎた時間。多分お昼休みが始まってすぐに送ってくれたんだろうな
「そんなに仲いいのに何で付き合ってないのか不思議だなぁ」
藍那がウェイトレスさんが運んできたクレープを頬張りながら呟く
「それもそうだね。テスト終わってすぐにそんな内容送ってきたり、図書館で一緒に勉強したり。何か青春そのものだよね」
何で付き合わないの?と二人に尋ねられても答えようがない
「日代君が私のことどう思ってるのかわからないでしょ!」
「それはもちろん、彼も心春のこと好きでしょー」
そんなことを言われて顔がかぁっと熱くなった