第20章 テストの結果
チャイムが鳴り、クラスのみんなが歓声をあげて立ち上がる
一週間のテスト準備期間と、三日間のテスト期間。これらによってみんなの自由はだいぶ縛られていたらしい。
やっと遊べる、とかやっと勉強から解放されたなどとの嬉しそうな声がした。
「心春ー。このあとみんなでクレープ食べに行かない?この前オープンしたとこで気になってたんだ」
このテスト三日間、げっそりしていた藍那が、生き生きとした顔に戻っている
テスト最終日は午前中はテストだが、それが終わったら部活のない人は下校となる。
大抵の帰宅部の人なら、遊んで帰るだろう
「そうだね、私も甘いもの食べたい」
私は立ち上がる。
「チョコレートがいっぱいかかったやつが欲しいなー」
由梨花もすでに乗り気なようだった
「じゃあ出発!」
私達は並んで歩き出した
「そういえば日代君、結果どうだったんだろうね。」
由梨花が歩きながら私に尋ねる
「うーん、日代君のテスト最終日にLI〇Eしたら、そろそろ一週間前だから、テストが終わるまでLI〇E送らないようにするから頑張れって返事が帰ってきて。だから結果とか聞いてないなぁ。」
日代君の場合はわからないときにLI〇Eで質問して欲しいって言ったからやりとりしてたけど。
頑張れって応援されて嬉しかったなぁ
「心春、顔にやけてるよ。」
由梨花の指摘で我に返った。
「案外心春って顔に出るよね」
藍那がにやっと笑うのでますますきまりが悪くなった
「まぁ、久々にL〇NE送ってみたら?゛やっとテスト終ったー゛みたいな」
由梨花が私にアドバイスをくれる。
「そうだね。でも今はダメ。」
「えっ!何で?善は急げだよ?」
先を歩きながら話を聞いていた藍那が慌てて振り返る
「だって今向こうは授業中だよ?それでもしマナーモードになってなかったら…。」
「ケータイ没収、かな」
没収されなかったとしても、先生からの印象は最悪だ。
うかつに送って没収されることになったら、テスト一週間連絡できなかったのに、更に期間が伸びてしまう
「何だか私達のところが午前中だけだったから、向こうもそうなってる気分だった、危なかった」
確かに、そういう考えてしまうことはまれにある。